にしむら皮フ科クリニック院長と看護師長が不定期でお送りします。

アーカイブ 『 アトピー性皮膚炎 』

 2026.01.07(水)

アトピー性皮膚炎重症化ゼロシリーズ2.0

今年、広島で開催される

第42回 日本臨床皮膚科医会総会で、

アトピー性皮膚炎(以下アトピー)治療について

講演することになりました

第42回日本臨床皮膚科医会.jpg

内容は、生物学的製剤デュピルマブ

による『質の高い長期寛解維持』

についてお話します

この講演を含めて、

5つのアトピー治療の講演が

この春に予定されています

昨年秋に行った

アトピー性皮膚炎重症化ゼロシリーズ

第2幕です。

外用療法から紫外線療法

生物学的製剤に至るまで

『質の高い長期寛解維持』に導く

当院のアトピー治療をお話しする予定です

(院長)

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  2026/01/07   西村 陽一

 2025.12.21(日)

アトピー性皮膚炎とJAK阻害剤

先日、

あるメーカーのJAK阻害剤(内服)の

講演の座長をしました。

それで、

私がJAK阻害剤(内服)を推奨していると

勘違いされた方がおられたようです

私は、以前から言っているように、

アトピー性皮膚炎には

基本的にJAK阻害剤(内服)は使いません。

理由はいろいろあります。

たとえば、

米国皮膚科学会ガイドラインでは、

次のように記載されています[1]

『Upadacitinib and abrocitinib are 2 selective JAK inhibitors 〜They are approved for use in moderate-to-severe AD patients who have failed other systemic therapies (immunosuppressants, corticosteroids, antimetabolites, and injectable biologics) or when they are inadvisable. As such, in most circumstances, these medications are not considered to be first-line systemic therapy. 』

(訳)ウパダシチニブとアブロシチニブ(経口JAK阻害剤)は、他の全身療法(免疫抑制剤、コルチコステロイド、代謝拮抗薬、および生物学的製剤)が上手くいかなかった(あるいはそれらの使用が勧められない)中等度から重症のアトピー性皮膚炎患者への使用が認められています。そのため、ほとんどの場合、これらの薬剤は第一選択の全身療法とは見なされません。

それに比べて

生物学的製剤のデュピルマブ(デュピクセント)は、

『Dupilumab is a monoclonal antibody〜It has an excellent safety track record in clinical trials and few major emergent safety concerns after more than 5 years in clinical practice. We surveyed guideline workgroup members as to their favored first-line systemic agent, and all participants favored dupilumab. 』

(訳)臨床試験で優れた安全性の実績があり、臨床診療で5年以上経った後、主要な緊急安全上の懸念はほとんどありません。ガイドラインワークグループのメンバー達に対し、全身療法の第一選択薬として好ましい薬剤について調査した結果、全員がデュピルマブを支持しました。

どうしてこういうコメントになっているかは

ガイドラインをご参照下さい。

ということで、今のところ、

アトピー性皮膚炎に関しては、

デュピクセントイブグリースなどの

生物学的製剤一押しです

それで上手くいかなかった

ケースはほとんどありません

(参考文献)

1. J Am Acad Dermatol. 2024 Feb;90(2):e43-e56.

(院長)

(注)上記の内容は、あくまでも私の個人的な意見です。またそれは、アトピー性皮膚炎治療に限られます。

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  2025/12/21   西村 陽一

 2025.11.23(日)

アトピー道場開催!

昨日は、大阪でアトピー道場を開催しました。

アトピー性皮膚炎(以下アトピー)治療に積極的な

50名の皮膚科専門医に参加していただき、

アトピー治療について議論し勉強する会です。

【1122案内状】極めよう!外用と全身療法で支えるアトピー道 ___large.jpg

まず、岡山のほう皮膚科クリニック院長の

許先生によるOpennigで始まりました。

『重症のアトピー性皮膚炎もクリニックで

治せる時代になりました』というお言葉は

大変印象的でしたね

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アトピー道場2.001.jpeg

そして、まず私と当院師長が講演を行いました。

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私の提唱する質の高い長期寛解維持を得るために

いかにプロアクティブ療法全身療法を駆使するかを

具体的にお話ししました。

我々の講演と質疑応答の後、

パネルディスカッションを行いました。

やっぱり対面はいいですね

WEBと違って、率直な意見交換ができて

大変勉強になりました

私も、講演のたびに

最新の論文を読み漁るので

知識が増大する上に、

さらにこういった場で議論をするので、

治療技術が研ぎ澄まされていくの感じます

これにて、

アトピー性皮膚炎重症化ゼロシリーズ

秋の講演第5弾(ラストイベント)が終了しました

 

本講演の座長をしてくださった

岡山のほう皮膚科クリニック院長の

許郁江先生、

高槻のよこた皮膚科クリニック院長

横田日高先生、

パネルディスカッションの

モデレーターをして下さった

福岡の日野皮フ科医院院長の日野亮先生

誠に有難うございました。

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(左から日野先生、許先生、当院師長、私、横田先生)

(院長)

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  2025/11/23   西村 陽一

 2025.11.09(日)

アトピー性皮膚炎重症化ゼロシリーズ 秋講演第4弾終了

本日は、金沢Hyatt Centric Kanazawaで、

アトピー性皮膚炎重症化ゼロシリーズ

秋の講演第4弾を行いました

今回は、現地で対面の講演です。

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今回は、以下の内容で講演しました

2025.10 15 22 2.001.jpeg

師長は、ICのコツを解説しました。

講演後は、

パネルディスカッションを行いました。

専門家同士でディスカッションすることは

大変勉強になります

石黒皮膚科クリニック院長の

石黒 和守先生ならびに、

師長の石黒 道恵先生には、

座長としてご尽力いただき、

誠にありがとうございました。

また、

ひまわり皮膚科院長の

松下幸世先生並びに、

けやきひふ科皮膚疾患ケア看護師の

酒井真由美先生には、

ディスカッションパートの

司会としていただき、

誠にありがとうございました。

次回は、大阪第5弾

『アトピー道場』を開催します

【1122案内状】極めよう!外用と全身療法で支えるアトピー道 _.jpg

(院長)

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  2025/11/09   西村 陽一

 2025.11.01(土)

アトピー性皮膚炎のWEB講演(バイオ導入のノウハウについて)

先日の水曜日は、

アトピー性皮膚炎(以下アトピー)治療薬

イブグリース

WEB講演を行いました。

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演題確定20251029 West Japan Ebglyss Webinar for Nurseご案内状Ver.2.jpg

当院は、400例近い

生物学的製剤(バイオ)の導入実績があり、

その導入ノウハウを、

当院看護師長にお話ししてもらいました

最近では、皮膚科専門医なら

バイオは導入できて当たり前の時代に

なりつつあります

そして、

すでにバイオを導入しているクリニックでは、

数あるバイオをどう使い分けるかに

焦点が移ってきています。

イブグリースは、2024年に発売された

最新のアトピーバイオです。

選択性の高い作用機序や、

作用時間の長さが、

他のバイオとの使い分けの鍵になると思います。

(院長)

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  2025/11/01   西村 陽一

 2025.10.22(水)

アトピー性皮膚炎重症化ゼロシリーズ 秋講演第3弾終了

本日も、アトピー性皮膚炎重症化ゼロシリーズ

秋の講演第3弾が終了しました

奈良県の医療従事者へのWEB講演を行いました。

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飯田医院 飯田皮フ科院長の

飯田孝志先生には、座長としてご尽力いただき、

誠にありがとうございました。

今回は、

どういった患者さんがデュピルマブに適するか?

という内容でお話ししました。

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a)~d)が加わることで、

デュピルマブが適する患者さんになります。

例えば、デュピルマブは、

IL-4をブロックすることで、IL-31を抑制します。

よって、痒疹タイプ(b)は、

トラロキヌマブやレブリキズマブより

デュピルマブが適します。

といった具合です。

講演は、大変ですが

講演のたびに膨大な資料を勉強するので、

私自身も大変勉強になります

そして、

来週も、再来週も講演がまだまだ続きます

がんばります

(院長)

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  2025/10/22   西村 陽一

 2025.10.15(水)

アトピー性皮膚炎重症化ゼロシリーズ 秋講演第3弾

アトピー性皮膚炎重症化ゼロシリーズ

秋のWEB講演第2弾が本日終了しました

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長井皮膚科医院院長の

長井正樹先生には、座長としてご尽力いただき、

誠にありがとうございました。

来週水曜日(10/22)は、

同シリーズ第3弾を行います。

次回は、スライド内容を大幅に変えて、

どういう症例にデュピクセントが適するか?

という内容でお話しします。

アトピーバイオの使い分けの質問が多いので

このような趣向にしました

奈良県の先生方への講演ですが、

興味がある方は、

他県の方でも参加できると思います。

質問をどしどししてもらうと

会が盛り上がりますので、

お気軽にご参加ください

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(院長)

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  2025/10/15   西村 陽一

 2025.10.08(水)

アトピー性皮膚炎重症化ゼロシリーズ 秋講演第2弾

アトピー性皮膚炎重症化ゼロシリーズ

秋のWEB講演第1弾が本日終了しました

主に西日本地域の皮膚科・小児科の先生方、

メディカルスタッフの方々に向けた完全WEB配信です。

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写真2.png

たばた皮膚科クリニック院長の

田端康一先生には、座長としてご尽力いただき、

誠にありがとうございました。

最近の質問は、4つのアトピーバイオ

(デュピクセント、イブグリース、アドトラーザ、ミチーガ)

の違いや使い分けなどが多いですね。

どう使い分けるか、

それは秘密です

講演で質問してください

そして早速、来週第2弾です

演題は同じですが、内容は少し変えています。

【案内状】20251015Jp.jpg

これから年末まで

ほぼ毎週講演です

(院長)

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  2025/10/08   西村 陽一

 2025.10.04(土)

アトピー性皮膚炎重症化ゼロシリーズ 秋の講演

気温もグッと下がり、

秋の雰囲気が出てきましたね

ダイビングシーズンも終わり、

秋は講演で忙しくなります

10月からは、ほぼ毎週

アトピー性皮膚炎の講演(医師向け)です

まずは、来週水曜日(10/8)に講演があります。

10・8.jpg

当院のアトピー性皮膚炎生物学的製剤(バイオ)治療は、

350症例を超えました

おそらく北陸一のバイオ治療経験数です。

その経験から導き出された

導入のノウハウ、

出口戦略、

その驚くべき副次効果、

稀な有害事象の対策、

紫外線療法の併用など、

多岐にわたってお話します。

(院長)

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  2025/10/04   西村 陽一

 2025.08.19(火)

アトピー性皮膚炎治療の講演 in 西日本

先日、西日本地域向けに

アトピー性皮膚炎のWeb講演をしました。

アトピー性皮膚炎 重症化ゼロ作戦シリーズの講演です

【案内状】20250806_AD重症化ゼロ作戦_西村陽一院長_美和師長.jpg

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この講演の内容は、

デュピクセント中心のアトピー性皮膚炎治療の話ですが、

外用療法(プロアクティブ療法など)、

内服治療(シクロスポリン等)、

紫外線療法など多岐にわたっています。

講演のテーマは、重症化ゼロですが、

内容は、アトピー性皮膚炎ゼロ作戦です。

この作戦で最も大切な治療は、

プロアクティブ療法です。

しかし最近思うのですが、

実は、この治療法は

あまり普及していないのではないかと

なぜなら、

『皮疹がないのにどこに塗るのですか?』

という質問が非常に多いからです

目に見えないsubclinicalな炎症を

ターゲットにする治療法が

プロアクティブ療法なんですけどね

細かなセッティングはありますが、

皮疹がないところにも塗るんです。

炎症が残っているかどうかは、

TARC値や触診のざらざら感などで判断します。

でも、こういう質問をしてもらえるのは

大変ありがたいです

この治療法を広めることができるからです

しかし、数分の質問時間では、

詳しく解説できないのが残念です

とにかく、

このシリーズは年内は各地で毎月続きます。

どしどし質問をお願いします。

質疑応答や、その後の議論で、

私も大変勉強になりますし、

会も盛り上がります

またこの講演の

座長の労をお取りいただきました

わだばやし皮膚科院長の

和田林幹央先生

ありがとうございました

(院長)

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  2025/08/19   西村 陽一

 2025.07.28(月)

アトピー性皮膚炎の講演 in 新潟

昨日の日曜日は、新潟県で

アトピー性皮膚炎(以下アトピー)治療の講演をしました。

4M最新0726 クリニカルイナーシャを考える会 案内状.jpg

会場は、ホテルオークラ新潟ですが、

我々はWEB配信で参加しました(下写真)。

診察終了直後だったので、着替える暇がなく、

二人とも白衣です

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私は、デュピクセントなどのバイオ治療を中心に、

プロアクティブ療法、紫外線療法、

エキシマレーザー治療などを駆使して

長期寛解に持ち込むノウハウをお話しました。

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当院では、

中等症以上のアトピー患者さんは、

計画的にこれらの治療法を導入しています。

目指すは、

薬物療法(内服、外用、注射)はほとんど必要なく、

お肌ツルツルで、

血液データ(IgE, TARCなど)正常です

重症であっても、治療を計画的に行えば、

それほど難しいことではありません。

講演後の

ディスカッションパートでは、

治療に関する色々な話題で盛り上がりました。

みなさん勉強になるいい会になったと思います

座長の労をお取りいただきました

のぶ皮膚科院長の佐藤先生、並びに

ながたクリニック副院長の伊藤先生

ありがとうございました

来週は、奈良県で講演です。

(院長)

*外用量、外用頻度、通院頻度を守るアドヒアランスの不良や、年齢制限や経済的理由により、最良の治療を計画的にできないことがあります。

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  2025/07/28   西村 陽一

 2025.05.10(土)

アトピー性皮膚炎の新プロアクティブ療法

本日は、先日行った

福井県内科医会講演会の内容の第3弾

アトピー性皮膚炎治療その2です。

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子供の重症アトピーの数%、

大人の重症例の2〜3割程度は、

プロアクティブ療法(計画的外用療法)でも

寛解(皮疹ゼロ)に導けません

そういった方を対象にした新しい治療法、

新プロアクティブ療法を紹介しました

2025.5DUP西日本.001.jpeg

下図は、新プロアクティブ療法

複雑な治療過程を簡単に示した模式図です。

しかし、簡単といっても、

皮膚科医でもなければ

何のことが分かりませんよね

2025.5DUP西日本.002.jpeg

要するに、

生物学的製剤デュピクセント(デュピルマブ)

を使用してプロアクティブ療法(計画的外用療法)

を完成させる治療法です(上図)。

この治療で最も大切なのは、

計画的外用療法です。

デュピクセントはあくまでも、

補助治療薬です。

ある基準に達成すれば

デュピクセントを終了する必要があります。

そこからはプロアクティブ療法のみで

長期寛解を維持していきます。

当院では、デュピクセント終了後多くの方が、

何年も再燃(再発)していません。

高額な治療ですから、

ワンチャンスを活かして

長期寛解を目指してもらいたいと思います

 

 西日本の医療関係者向けに、デュピクセントによるアトピー性皮膚炎治療

WEBセミナーを開催します。詳しくはサノフィ/リジェネロンの担当者にお問い合わせください。

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(院長)

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  2025/05/10   西村 陽一

 2025.04.18(金)

福井県内科医会講演会その2 アトピー性皮膚炎治療

本日は、先日行った

福井県内科医会講演会の内容の第2回目、

アトピー性皮膚炎についてです。

IMG_0395.JPG

1953年のステロイド外用剤登場以降、

多くのアトピー性皮膚炎治療薬

開発されて来ました(下図)。

特に2018年の生物学的製剤

デュピルマブ承認からの進歩が著しい

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講演では、これらの治療薬を使っての

①プロアクティブ療法、②新プロアクティブ療法、③光線療法+②

を解説しました。

今回は、①プロアクティブ療法(下図)についてお話します。

2024410_final001.jpeg

特にこの治療で大切なのところは、

最初の1〜2週間の寛解導入です。

ここで皮疹ゼロ(見ても、触ってもゼロ)

にできるかどうかで成否が決まります(下図)。

ここが一番大切!

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そして、その後は、

計画的に

外用頻度、外用量、外用レベルを調節しながら

漸減中止していきます。

この治療を知っている先生が少ないため、

他の医療機関で、

勝手に外用を中断させられることが多いんです

こんなに綺麗なのになんで塗っているの?

と思われるようです。

今でも結構ありますが・・

この治療法は、

今の痒みや湿疹を治すためだけでなく、

完全寛解(治す)を目指す計画的治療なんです

次回は、プロアクティブ療法でも改善しない方

(重症の大人で約30%、子供で数%)に行う

新プロアクテブ療法についてお話します。

(院長)

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  2025/04/18   西村 陽一

 2025.03.17(月)

アトピー発症予防に保湿剤は勧められない!

なかなか衝撃的な題でしょ

毎日多くの新生児をもつ母親から

保湿剤の処方を希望されます。

それも、

アトピー性皮膚炎(アトピー)

発症していないのにです。

なぜかと尋ねると、

新生児から保湿をしっかりすれば

アトピーを予防できるからと・・

昨年末に発表されたガイドラインでは、

『現時点においてアトピー性皮膚炎の発症予防に

新生児期からの保湿剤外用は

一概にはすすめられないといえよう.』

と記載されています。

その理由は、下記表のように

1000人以上の大規模研究では

保湿は効果なし、

100〜200人程度の小規模研究では

効果あり、

となっているからです。

保湿とAD.png

      (アトピー性皮膚炎診療ガイドライン2024年より)

賛否両論ですが、

当然、大規模研究の方が信頼性が高いでしょう

ということで、最近は、

この情報をお母さんにもお伝えしています。

しっかり保湿しておけば、

アトピーの予防になるというのは、

正しいとは言えないようです。

(院長)

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  2025/03/17   西村 陽一

 2025.03.09(日)

アトピー性皮膚炎の計画的治療

本日は、アトピー性皮膚炎(以下アトピー)

計画的治療についてです。

まず、初診の患者さんが来られたら、

血液検査(IgE, TARCなど)、臨床所見(EASIなど

などで重症度を数値化します。

この数値を正常にするのが目標⬜︎です。

ブログ.png

上写真の患者さんは最重症です

彼の皮膚の中では、下図のように炎症細胞が浸潤して

各種サイトカインを放出し、

炎が激しく燃え盛っているような状態です。

数値化は、この炎の勢いを目に見える形にしたものと言えます。

2024.5DUP 2.001.jpeg

この重症度の数値に従って

外用レベル、外用量を決定して

治療目標に向かって治療をスタートします

炎症細胞を皮膚から追い出し、炎症の炎が鎮火されるまで

毎日、ほぼ全身に外用をします。

なぜ全身に塗るかというと、

アトピーの皮膚は、一見正常に見えても

必ず炎症細胞が浸潤しているからです(下図)。

ブログ図1.001.jpeg

ここを残しておくと

アトピーはすぐ再発して良くなりません

最初の1〜2週間で皮疹を

ほぼ寛解(皮疹ゼロ)にできるかどうかが、

この治療の成否のカギです。

ですので、最初の1〜2週間は毎日塗ります。

その後は、臨床症状(EASIなど)血液検査(TARCなど)

の改善に従って、計画的に

外用頻度やレベルを落としていきます。

2〜3週間に1度の外用頻度で、皮疹ゼロまで行ければ

小児であれば治療終了です

大人はまだ続きますが・・

ところで、この患者さんは、

すごく良くなりましたが、

結局皮疹ゼロにはできませんでした(下写真)

ブログ2.png

このように、重症の患者さんでは、

治療を完璧に行なっても、

寛解(皮疹ゼロ)にできない方が、

小児で1割、大人で3割ほどおられます。

よって当患者さんは、完全寛解へ導くために、

生物学的製剤 デュピクセントを開始しました(下写真)

ブログ3.png

ブログ3.001.jpeg

これにより、皮疹ゼロ

血液データも大幅に改善しました

さらに、各種スコアおよび血液データが

正常になる状態まで行います。

これを深い寛解状態といいます。

そこまで達成されれば、

大人でもそう簡単には再発しません

デュピクセントのすごいところは、

使用した方の9割以上が

この深い寛解状態を得られるところです。

どうです?

アトピー治療って計画的&定量的でしょう

適当に痒いところに、適当な頻度で、

適当な量を塗っていませんか?

アトピーが改善しない方は、

計画的に治療しましょう。

(院長)

*上記の治療は、定期的な通院が必須です。よって、小児はほぼ全員計画的に行っていますが、大人は全員に行なっているわけではありません。

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  2025/03/09   西村 陽一

 2025.02.24(月)

アトピーバイオの講演 in 金沢

先日、金沢でアトピー性皮膚炎

バイオ治療の講演会があり、

座長をさせていただきました。

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バイオとは、生物学的製剤のことです。

今回は、イブグリースの会です。

イブグリースは、デュピクセントの次に

よく使用されているアトピーバイオですね

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いつもバイオの講演で思うのは、

みなさん導入することに必死で、

出口戦略(バイオの止め方)が

抜けていることです。

バイオをどのように使い、

どのように止めていくのか?

止めた後どうなるのか?

計画的な外用もせずに、適当にやめれば

半年後には再発するでしょう

当院では、すでに300例以上の

アトピーバイオの経験があり、

さらに計画的外用療法(プロアクティブ療法)

を併用しています。

よって、

出口戦略と中止後のデータはしっかりあります

この点を強調したんですが、

みなさん導入の話ばかり気にかけ、

終わり方は無頓着に感じました

高額な治療ですから、できるだけ再発しない、

しても軽症にする工夫が必要です。

(院長)

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  2025/02/24   西村 陽一

 2025.01.27(月)

アトピーバイオの導入用ガイドブックと解説動画の作成

アトピー性皮膚炎の治療は、
 
既に生物学的製剤(バイオ)の時代に入っています。
 
全国では、
 
ものすごい勢いでこの治療法が広がってきています
 
しかし、まだまだ導入できていないクリニックが多いため、
 
導入用の冊子(ガイドブック)を作りました
 
子供用
ic.png
 
大人用
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特に子供用は力作で、
 
イラストもこだわりました
 
医療スタッフが使いやすいように
 
内容も単純明快に作ってあります
 
イラストや内容は、当院師長の意見を大いに取り入れました
 
医師だけで作ると、
 
内容が難しく、つまらないものになりがちですから
 
さらに先日、実際の導入場面を想定した
 
解説動画の撮影も行いました。
img_0447.jpeg
 
これらの冊子や動画を使って、
 
全国的に導入が進んでいくでしょう
 
今後の問題は、導入後どのようにこの治療薬を使い、
 
どのようにやめていくかです。
 
よく効く薬ですから、導入すれば
 
どんな重症のアトピーも良くなります。
 
しかし、適当に使えば、薬を止める時期や方法がわからず、
 
間違った時期に中止して、
 
すぐにアトピーが再発し元に戻ってしまうでしょう
 
当院ではこの点は、既に解決済みですが、 
 
まだまだそこまで到達で来ていないところが多いようです
 
導入がある程度進めば、
 
今後は導入後のノウハウが話題となってくるでしょう
 
(院長)

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  2025/01/27   cmsadmin

 2024.11.25(月)

デュピクセント・プロフェッショナル・フォーラム

昨日東京で、
 
デュピクセント・プロフェッショナル・フォーラム
 
が開催されました。
 
約500人の医療従事者が参加しました
img_9225_2.jpeg
 
これは、
 
アトピー性皮膚炎治療薬デュピクセント 
 
のシンポジウムです。
 
オープニングの講演を全員で聴講した後に、
 
3つの分科会に分かれて
 
それぞれのテーマで講演が行われました。
 
私は、分科会3の座長を務めさせていただきました。
 
写真は、その分科会でオープニングの講演を
 
行なっているところです。

img_9233.jpeg

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このオープニング講演の後に
 
2人の演者が講演をするんですが、
 
そのうちの一人が当院の師長です。
 
相変わらず素晴らしい講演でしたね
 
みなさん、必死でメモを取っていました。
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新薬続出のアトピー領域において、
 
デュピクセントは独り勝ちの状態になっています
 
それもそのはずで、
 
有効性と安全性でこれに勝る治療薬はないでしょう。
 
プロアクティブ療法との組み合わせで
 
深い寛解状態を得ることができます。
 
また、アトピーに併発している
 
ざ瘡(ニキビ)も改善させるため、
 
若い子たちは、とにかくお顔がきれいになります
 
エキシマレーザーと併用すれば、
 
アトピー由来の重症円形脱毛症
 
ほとんどが治ります
 
重症の喘息も良くなります。
 
花粉症も出ません。
 
とにかく、その効果に驚くばかりです
 
よって、
 
ここ1、2年で一気に全国的に普及してきました。
 
この治療の素晴らしさを
 
各地で講演してきた甲斐がありました
  
そして、これにて今年最大の講演会が終了しました。
 
年末まであと2つの講演を残すのみとなりました。
 
ラストスパート頑張ります
 
(院長)

〠918-8105 福井県福井市木田3丁目2605  にしむら皮フ科クリニックのホームページ

  2024/11/25   cmsadmin

 2024.11.20(水)

アトピー性皮膚炎治療の基本スケジュール

アトピー性皮膚炎の基本治療は外用(塗り薬)です。
 
通常初診で来られた方は、
 
診察による重症度(EASIなど)から判断し、
 
外用レベル、外用量などを決定します。
 
その時血液検査(特に成人)も同時に行います。
 
1週間毎日外用して再診し、
 
皮疹の改善状況及び血液データより再評価し、
 
外用レベル、1日外用量、外用頻度などを決定します。
 
その後、皮疹の状態や血液データ(TARC)などから判断し、
 
外用頻度などを徐々に漸減しています。
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例えば、「血液検査の結果は、TARC(タルク)正常で
 
皮疹の悪化もないので、
 
外用レベルはXXXで、1日外用量は◯ gで、
 
外用頻度は5日に1回から週1回に落としてください。」
 
とこんな感じです
 
もちろん、外用部位によっても細かく設定します。
 
頭、顔、体、苔癬化の強い部位(重症部位)など・・・。
 
最終的には、皮疹がなく、血液検査正常で、
 
外用も必要がないレベルになれば
 
完全寛解とみなし終了です
 
どうです?科学的でしょ?
 
以上をタイトコントロールと言います。

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本気で治したい方はこの治療です
 
小児は、outgrowの可能性が高く、
 
アレルギーマーチ(将来の食物アレルギーや喘息の発症)
 
を抑えるためにも
 
ほぼ全員この治療を行います
 
大人も、本気モードの方はこの治療を行っています。
 
適当に保湿して、
 
適当にかゆいところに薬を塗っていませんか?
 
それでは、いつまで経ってもアトピーは良くなりません
 
だって、適当なんですから・・。
 
(院長)

〠918-8105 福井県福井市木田3丁目2605  にしむら皮フ科クリニックのホームページ

  2024/11/20   cmsadmin

 2024.11.04(月)

アトピー性皮膚炎治療の講演 in 京都

一昨日は、ホテルオークラ京都で、
 
京大准教授の中島先生を迎えて、 
 
アトピー皮膚炎(以下アトピー)治療のWEB講演をしました。
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特別講演①は、当院師長が、
 
看護師などのメディカルスタッフ向けに、
 
生物学的製剤導入のノウハウを解説しました。
 
当院は現在、生物学的製剤の導入患者数が、
 
320人(乾癬を含む)に達し、
 
その継続率は90%以上です。
 
これが驚異的なため、
 
そのノウハウに興味を持たれる方が多いようです
 
特別講演②は、中島先生にお願いして、
 
アトピーの病態から最新の治療、
 
特に生物学的製剤イブグリースの特徴を
 
わかりやすく解説していただきました
 
今後の薬剤選択に非常に参考になりました。
 
年末までに残る講演はあと5つになりました。
 
今週水曜日も全国講演があります。
 
気合いを入れて頑張ります
 
(院長)

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  2024/11/04   cmsadmin