にしむら皮フ科クリニック院長と看護師長が不定期でお送りします。

アーカイブ 『 2023/02 』

 2023.02.26(日)

難治性アトピー性皮膚炎の新治療

前回のブログでは、プロアクティブ療法を詳述しました。
 
特に、子供のアトピー性皮膚炎(以下アトピー)における
 
計画的治療の大切さを解説しました。
 
しかし、大人の重症例の中には、
 
この治療によって、良くはなるが、
 
寛解(症状ゼロ)に持ち込めないケースがあります
 
しかし、生物学的製剤デュピクセントの登場で、
 
こういった難治例でも寛解可能になって来きました
 
しかも副作用がほとんどない
 
あっても結膜炎くらいで、これもすぐ治ります
photo_20241124.jpg
 
さらに、この薬剤はプロアクティブ療法と相性がよく、
 
併用すれば、
 
寛解できない症例はほとんどありません。
 
すごい時代になりましたね
 
将来的には、
 
これがアトピー治療の主流となっていくでしょう
 
当院における、この治療の導入・維持のノウハウは、
 
昨年論文で紹介しました[1]
 
今年も、5月21日のデュピクセント全国講演会と
 
6月4日の日本皮膚科学会総会で講演する予定です。
 
興味のある皮膚科医の方は、
 
是非ご視聴ください。
  
(参考文献)
[1] 西村陽一: MB Derma. 327:94-104, 2022.
 
(院長)

〠918-8105 福井県福井市木田3丁目2605  にしむら皮フ科クリニックのホームページ

  2023/02/26   cmsadmin

 2023.02.15(水)

アトピー性皮膚炎治療は計画的に!

当院のアトピー性皮膚炎(以下アトピー)治療は、
 
基本的にプロアクティブ療法(下図)を採用しています。
 
外用療法をきっちりと管理して、
 
完全寛解(≒治癒)へ導く治療です。
photo_20230215.jpg
 
 
外用のレベル、1日の塗布量、外用頻度まで
 
細かく設定します。
 
これは、皮膚の状態と血液データ(TARC等)
 
に基づいて再設定していきます。
 
例えば、症状が殆どなく(寛解
 
TARCが500 pg/mLを切ったので、外用頻度を
 
1日15gを週2回から10gを5日に1回にしてみましょうといった具合です。
 
もちろん、塗る部位や外用レベルも細かく設定します。
 
特に小児は、しっかりアトピーを治療をすることで、
 
将来の重症化を予防し、
 
食物アレルギーや喘息の発症を抑え
 
寛解維持からoutgrowして治癒するケースが多いです

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アトピーは適当に外用を塗るのではなく、
 
計画的に治療しましょう
 
ただし、大人の重症例は、
 
この治療でも、良くはなるが
 
寛解できないケースが4割程度ありました
 
しかし、新薬の登場で、これも寛解可能になっています。
 
これについては次回お話します
 
(院長)
 
*大人の軽症例や、定期的な通院ができない中等症以上の患者さんは、プロアクティブ療法を採用しないこともあります。

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