にしむら皮フ科クリニック院長と看護師長が不定期でお送りします。

アーカイブ 『 2023/11 』

 2023.11.25(土)

円形脱毛症のJAK阻害薬について(私見)

最近、円形脱毛症治療薬
 
JAK阻害薬に対する問い合わせが多いです。
 
内服で、非常に効果的な新薬ですから
 
みなさん気になりますよね
 
しかし当院では、
 
この薬剤は最後の手段にしています
 
なぜなら、長期内服で
 
健康を害する恐れがあるからです
  
よって、バイオ承認施設での使用が勧められています。
 
当院は、クリニックとしては
 
福井県で唯一のバイオ承認施設ですが、
 
それでも使用に躊躇します
 
1年以内の短期使用なら
 
それほど問題はないのですが、
 
円形脱毛症なら何十年と(あるいは一生?)
 
飲み続けなければいけません
 
それも、脱毛症以外は健康体の人に対してです
  
さらに気になるのは、この薬剤の適応基準です。
 
『50%以上の脱毛が半年以上続く』というものですが、
  
ちょっとハードル低すぎです。
 
当院なら、他のもっと安全な方法で
 
8割以上は治せます
 
エキシマレーザーとまでは言いませんが、
 
せめてSADBE療法と
 
エキシマライト(照度100mW/㎠以上)の併用
 
試してからにして欲しいものです。
 
またアトピー性皮膚炎合併なら、
 
デュピクセントの方が安全かつ有効です
 
以上は、あくまでも私見ですが、
 
より安全性が高いJAK阻害薬の開発
 
が進んできていますので、 
 
将来的な期待が大きい薬剤ではあります
 
(院長)

〠918-8105 福井県福井市木田3丁目2605  にしむら皮フ科クリニックのホームページ

  2023/11/25   cmsadmin
(タグ)円形脱毛症

 2023.11.21(火)

小児アトピー性皮膚炎のデュピクセント治療

成人のアトピー性皮膚炎(以下アトピー)の治療は、
 
デュピクセント(デュピルマブ)の併用による
 
新プロアクティブ療法(下図)によって、
 
どんな重症アトピーでも
 
寛解(症状ゼロ)に持ち込めるようになってきました
 
それも極めて安全にです
 
さらに、デュピクセント中止後も
 
3年以上寛解を維持している方が大勢います
photo_20241124.jpg
 
以下のブログでも詳しく述べています。
 
小児の場合は、プロアクティブ療法単独
 
寛解になる方がほどんです
 
しかし1割以下ですが、寛解に持ち込めない
 
難治性アトピーの方もおられます
 
こういった難治例に、今年9月より
 
デュピクセントの年齢制限が解除され、
 
生後6ヶ月より使用できるようになりました
 
当院でもすでに、10歳以下の小児5人が、
 
デュピクセント治療を開始しています。
 
これでもう、アトピーで寛解できない症例は
 
ほぼゼロです
 
ここ10年のアトピー性皮膚炎治療の進歩は凄まじい
 
(院長)
 
*デュピクセントは、真面目に定期的に通院している方のみ適応です。ガイドラインでは、その期間は6ヶ月以上とされています。不定期な通院や初診の方は、処方できません。まずは、真面目に通院してください。

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  2023/11/21   cmsadmin

 2023.11.01(水)

円形脱毛症の講演 in 京都

先日の土日は、
 
国立京都国際会館で開催された
 
日本皮膚科学会中部支部学術大会
 
円形脱毛症治療の講演をしてきました。
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エキシマレーザーによる重症円形脱毛症治療の
 
凄まじい効果を解説しました。

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今のところ、
 
ここまで治せてる講演を見たことがないですね〜
 
エキシマレーザーの講演だったのですが、
 
エキシマライトの話もしてきました。
 
エキシマライトでも、
 
局所免疫療法(SADBE)と併用ならば
 
最重症の円形脱毛症も治療可能です
 
しかしそれは、VTRAC(照度150mW/㎠)のみでしょう。
 
照度が100mW/㎠の機種では、
 
中等症までです。
 
それ以下の機種だとほとんど効果ないですね
 
治ったとすれば、それは自然治癒でしょうね。
 
エキシマライトならどの機種でも同じではありません。
 
とにかく、大きな学会としては、 
 
今年最後の講演が終了しました
 
(院長)

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  2023/11/01   cmsadmin