昨日は、京都で行われた
円形脱毛症治療薬オルミエント(バリシチニブ)の
シンポジウムに出席してきました。
この薬は、JAK阻害剤という分子標的薬で、
頭部全体の50%以上の脱毛が半年以上続く
重症の円形脱毛症に使用します。
当院の治療(下図)の
一角を担う治療薬(④)です。
効果は、①→④の順に高くなります。
しかし、
アトピー性皮膚炎で高IgEであれば
③もかなり効果が高いです。
当院のデータですが、
IgE 500 IU/mL以上の12例の
全頭型と汎発型が全員著効しました
さらに小児は、IgEが低くても
この治療を行った3例全例が
著効しています
しかしこれは、
エキシマレーザーの併用があってのことで、
デュピルマブ単独ではこうはいかないでしょう
この③の治療は、恐らく当院が、
国内で最も症例数が多いと思います
次に、④のJAK阻害剤は、
エビデンスベーストでは
最も効果と信頼性がある治療薬です。
今回のシンポジウムで、
その効果と安全性
など大変勉強になりました。
特に、fast responder(著効するタイプ)には、
まだ数年の経過ですが、
完全寛解(薬剤なしで治癒した状態)
している方がおられるようです。
発症早期の方が
著効することを考えると、
長期に放置すると
その機会を失う可能性が高くなります
そういった意味では、
重症型は、
とにかく早くJAK阻害剤を試す
必要があるように感じました。
最後に、
この会を主催した
イーライリリー
の自己免疫領域開発部門のトップ
Lotus Mallbris氏と少しお話ししました
(院長)